すべてはここから

 昭和24年〜50年ごろまで生産され、当時、一斉を風靡した冨士金銭登録機(フジレジスター)という商品がありました。

 「伝説のレジスター」−−−その人気の秘密は、はけや筆のタッチを巧みに活かし、一台一台手書きで表現された木目調の塗装にありました。 当時、画期的な塗装デザインとして、大変な注目を集め、他社での商品コピー化や、遠く東南アジアにも輸出されたということです。

 このように精妙な塗装技術を有する人間は、日本に3人程度しか存在しませんでした。 その一人がタチザワ塗装(株)の創業者である立澤謹三です。

 謹三は、日本伝統工芸として名高い、会津塗りの本場、福島県会津市に生まれ、その恵まれた環境の中で才能を開花し、漆工の技術に親しんでまいりました。 戦前、その技術をかわれ、東京光学株式会社において、塗装の指導員に抜擢され活躍し、さらに戦時中は、軍需品の塗装を手がけていました。

 そして、昭和24年、山梨にて立澤塗工所を創業。 長い年月を経て培われたクラフトマンシップが、今日のタチザワ塗装(株)の信頼の基盤を築いてまいりました。 漆塗りの高度な技術と優れた才能を生かして、レジスター一台一台に、手書きで生命を吹き込む---すべては、ここからタチザワ塗装(株)の歴史が始まりました。

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