塗料・塗装ワンポイントアドバイス  
 
◇ 塗装受注時の注意点〜クレームを出さない為に〜

 

(1)色はもちろん、艶の確認をする。(色見本があれば、必ず借りる)また、マンセル一任では、受けないほうがベターです。

(2)この製品の使用用途の確認をする。(どこで、どのように使用されるか)製品の使用場所(屋内か、屋外か)、使用環境(薬品を使用、熱が加わる等)を把握し、その使用用途により、塗料の種類の選定を行う。

(3)塗らない部分の確認をする。(一度塗装すると部分剥離は困難)図面には、指示が無いが、研磨面やアース部は、マスキングが必要になります。

(4)この品物は、どのレベルの塗装仕上を要求しているのか確認する。例えば、表示パネルに彫刻がある場合は、塗装工程が変わってきます。(中塗をしないと、彫刻時に塗膜が割れてしまう場合があります)また、外観部品の場合には、溶接箇所のグラインダーの跡が出ない様に、パテ付け作業が必要になる場合が多くあります。安易に塗装を受けるのではなく、解らない点は事前に確認すること

 

◇ 色の表示について

 

(1) マンセル記号(注1)表示について


(例)2.5Y9/1 (呼び方ーにいてんごわいきゅうぱーいち)色相・明度・彩度の順で表しています。

(注1)アメリカの美術教師であった、A.H.マンセル(1858〜1918)により創票され、10の主要色相が基準となり、明度は、黒が0、白が10(Nは、ニュートラルの略)、彩度は、無彩色を0とし、色味が強まるに従って高い値となる(冴えた赤が最も高い数値で彩度は14)。

(2) 日本塗料工業会規格色(日塗工)(注2)について
(例)日塗工S11−359(S版の11ページの359)
   日塗工E25−70B (E版の31ページ(マンセル色相5Y)−70B(彩度1.0))
   マンセル 5Y7/1
*上記3点の表現は違うが、すべて同じ(近似)色です。

(注2)日本塗料工業会が2年毎に改訂して、発行している。最も、一般的に用いられている色見本帳。頭の英数字は、アルファベット順に発行しており、現在の最新版は、2009年度版(E版)です。ちなみに昭和40年度版がA版でした(当社保存有)。1993年度版(S版)までは、表現が下3桁の数字で認識できたが、1995年度版(T版)より表現が大幅に変更になった。各年度で新色(特に彩度の高い色)が少しずつ増えている。

(3) DIC(ディック)表示について
インクメーカーである、大日本インキ化学により、作成された見本帳で、
印刷業界はもとより、看板・内装・ディスプレイ関係で多く使用されているが、あくまで、インクでは、調色できるが塗料では、顔料により調色不可能な彩度の高い色が多い。また、日本の伝統色をはじめ、フランスの伝統色・グレイトーン等多くの種類がある。版が変わっても色の表示は同じである。

(4) 企業色について
大手企業では、個別に企業カラーが定められている場合が多い。
塗装の場合も多くは、承認された色見本(基準色)があり、多くが塗料のメーカー、その取扱指定店を限定しているケースもある。
企業色は、協力会社(外注先)に見本板を配布、又は貸し出している。最近の傾向として、基準見本色に対しての上限・下限見本を定める傾向が減り、基準板に対しての色差(デルターE)で判断する方式が多い。
しかし、測色に頼らず、あくまで目視が重視されていることには、変わりない。

 

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